ストラスブールから、色彩の街へ
アルザス滞在2日目。
今日はストラスブールから列車で南へ30分ほど、
コルマールの街へ向かう。
ユーレイルパスのアプリに往復の行程を登録し、
ストラスブール駅からTERに乗る。
自由席の車内は比較的空いていて、
拍子抜けするほどあっさりとコルマールに到着した。

この日は、コルマールの街歩きに加え、
駅前から出ているバスでワイン街道沿いの村
――リクヴィル、ユナヴィル、リボヴィレを巡る予定だ。
まずはコルマールの旧市街を歩くことにする。
プティット・ヴニースと、
アルザスの実感
駅からしばらく歩くと、街の表情がふっと変わった。
運河沿いに広がる「プティット・ヴニース(小ヴェニス)」
と呼ばれるエリアだ。

色とりどりの花で飾られた運河には、
観光客を乗せた小さなボートが静かに行き交っている。
約2週間前に訪れたイタリアのヴェニスと比べると、
驚くほど穏やかで、のどかだ。
旧市街へ向かう途中、
サン・マルタン参事会教会の屋根の上に、
アルザス地方の象徴でもあるコウノトリの巣を見つけた。
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実際に目にすると、想像していた以上に大きい。
「ああ、本当にアルザスに来たのだな」と実感が湧く。
カラフルな旧市街と、
見覚えのある風景
ほどなくして旧市街に入る。
ストラスブールの木組みの家々が
白を基調としていたのに対し、
コルマールは青、ピンク、緑、黄色と、カラフルだ。

観光客は多いが、不思議と騒がしさはない。
街全体がゆったりと呼吸しているような、
落ち着いた空気が流れている。
運河にかかる橋の上に、
人だかりができている場所があった。
気になって近づいてみると、
手に持っていた
『地球の歩き方 フランス版』の表紙に描かれている、
まさにその場所だった。

アルザスらしい風景だな、と思って眺めてはいたが、
まさか実際にその場所に立っているとは。
運河沿いに並ぶカラフルな木組みの家々。
行き交うボート。
そして偶然にも、白鳥までイラストの通りだった。
念願のアルザス料理、シュークルート
街をひと通り歩き、いよいよランチへ。
念願のアルザス料理だ。
旧市街のレストランに入り、
屋外の席を希望すると
店の裏庭へ案内された。
ランチには少し早い時間だったため、
まだ他に客はいない。
白いパラソルの下、
木漏れ日が差し込む静かな空間。
とても心地よい。
地ビールを注文すると、
アミューズとしてプレッツェル型の
小さなスナックが添えられてきた。
「もはやドイツじゃないか」
と、思わず頬が緩む。
そして、メインのシュークルートが運ばれてきた。
卓上コンロの上に置かれた大きな鍋を見て、思わず声が出る。
「……多くないか?」

シュークルートは、
ザワークラウトに豚肉やソーセージ、ベーコンを合わせた、
アルザスを代表する家庭料理だ。
見た目は重厚だが、
発酵キャベツの酸味のおかげで、
不思議ともたれない。
この料理に関しては、
日本でレシピを見ながら作ったことがある。
そして、現地で食べてみて思った。
――あれは間違っていなかった。
大きな違いはない。
答え合わせが一つ完了した。
皿の分を食べ終えると、
サービススタッフが鍋からおかわりをよそってくれる。
遠慮する理由もなく、しっかりいただいた。
さすがに満腹だ。
食事の向こうに見えたもの
食事を終える頃には店内も賑わい始め、
周囲は地元客ばかりの落ち着いた雰囲気になっていた。

白ワインを片手に一人で食事を楽しむ年配の女性。
家族連れのテーブル。
子どもが少し騒ぐと、
親だけでなくスタッフもやさしく声をかけている。
「レストランは、食事だけでなく、振る舞いを学ぶ場所でもあるのだな」
そんなことを考えながら、店を後にした。
ワイン街道は、次の楽しみに
さて、次はワイン街道へ――と思い、
コルマール駅へ戻る。
駅前106番のバス停で、
リクヴィル行きのバスを待つ。
バスが到着し、乗客が降り終えたところで
乗り込もうとすると、なぜか制止された。
理由はよく分からないが、
どうやら今日の運行は終了らしい。
同じように待っていた数人も、
肩を落として引き返していく。
まあ、こういうこともある。
明日はパリへ移動するため、
今回の滞在中にワイン街道を訪れることはできなかった。
だが、それでいい。
これでまた、アルザスを訪れる理由が一つ増えたのだから。

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