オー・メドック地区 シャトーめぐりへ
ボルドー滞在2日目。
今日は楽しみにしていた、オー・メドック地区のシャトー巡りに向かう。
現地ツアーは「トランスネイション」というツアー会社に予約してある。出発前に日本から申し込んだが、メールでのやり取りは日本語スタッフが対応してくれ、とてもスムーズだった。
2名から催行のツアーだが、2名分の料金を支払えば1名でも参加できる。
メールで送られてきた集合場所へ向かう。
ホテルを出ると、昨日の革命記念日のお祭りの余韻が街のあちこちに残っていた。
ガロンヌ川沿いにはテントが並び、バザールの準備が進んでいる。
トラムの駅では、通勤客らしき人たちがホームで列車を待っていた。

こうした何気ない日常の風景に触れられるのも、個人旅行の醍醐味だと思う。
ミロワール・ドーを少し過ぎた場所にある、カンコンス広場の駐車場が集合場所だった。そこに、日本人ガイドさんが待っていた。
市街地からブドウ畑へ──マルゴー村の風景
ガイドさんの運転する車に乗り込み、さっそく出発する。
ボルドー市街を抜けると、ほどなくして道路の両側にブドウ畑が広がり始めた。

今日はあいにくの曇り空だが、畑の中に点在する城のような醸造所、すなわちシャトーの姿は十分に見応えがある。
ボルドーからブルターニュにかけての大西洋沿岸地域は、海洋性気候の影響で曇りや雨の日が多い。夏でも雨が降ると、少し肌寒さを感じることがある。
やがて車はマルゴー村へ入った。
5大シャトーのひとつ、シャトー・マルゴーで知られる村だ。
5大シャトーの内部見学は予約が非常に困難なため、シャトー・マルゴーでは外観のみを見学する。並木道の奥に佇むシャトーは、ワインのラベルに描かれた姿そのものだった。

畑を歩きながら、ガイドさんから土壌についての説明を受ける。
オー・メドック地区は、主に砂利(ギャベル)質の土壌が特徴で、水はけが非常に良い。一方、対岸のサンテミリオン地区は粘土や石灰岩が多く、同じボルドーでもワインの性格は大きく異なる。
実際に畑の土を手でつまんでみると、なるほどと納得がいく。
この違いが、あの味わいの差につながるのだ。
ポイヤック村と5大シャトー
次に向かったのはポイヤック地区。
オー・メドックは、メドック地区の中でも特に評価の高い南部エリアを指す呼称だ。
一般的に「メドック」というと広い地域を指すが、その中でも銘醸シャトーが集中するのがオー・メドックである。
ちなみに「オー」というのは「川の上流」を意味するらしい。
まず到着したのは、5大シャトーのひとつ、シャトー・ラトゥール。

ここも塀の外から外観のみを見学する。「トゥール」とはフランス語で「塔」の意味だ。
その名の通り、シャトー・ラトゥールは塔のような建物で、ラベルにもその姿が描かれている。
少し余談になるが、小学校高学年の頃、「料理の鉄人」の影響でフランス料理に興味を持っていた自分は、近所の酒屋で見たこの塔のラベルがなぜか強く印象に残っていた。
まさか、あのラベルに描かれた場所を実際に訪れる日が来るとは思ってもいなかった。少し感慨深い。
当時の価格は数千円だった記憶があるが、今の価格を考えると信じ難い。ガイドさんに尋ねると「当時なら、あり得ますよ」との答えだった。
ワインが投機の対象になってしまっている現状について、ガイドさんは残念そうに語っていた。その気持ちは、よく分かる。
続いて、シャトー・ムートン・ロートシルトへ。

こちらも外観のみの見学だが、マルゴーやラトゥールと比べると、やや質実な印象の建物だった。
このワインも、料理の鉄人のワイン対決終盤で鉄人が振る舞っていた記憶がある。名前がとにかく格好良かったからだ(笑)
さらに、シャトー・ラフィット・ロートシルト。

広大な敷地に建つその姿は、他のシャトーよりも一段と風格があった。
ちなみにムートンとラフィットは、いずれもロスチャイルド家が所有している。
ポイヤック村での昼食
昼食は、ジロンヌ川が大西洋へと流れ込む河口近くのポイヤック村でとる。
この村もまた、ボルドーワインの銘醸地として知られている。
実はこのポイヤック村も、料理の鉄人で登場している。
仔羊対決のテーマ発表の際、主宰が「今朝、フランスのポイヤック村から取り寄せました」と言っていたのを覚えている。
当時は「そんな村、本当にあるのか?」と思っていたが、まさか実際に訪れる日が来るとは夢にも思わなかった。
村はとても小さく、住民の多くがワイン産業に関わっているという。
そして、予約してもらっていたレストランを訪れる。

昼食に入ったのは、ジロンド川沿いにある「ラ・サラマンドル(La Salamandre)」という店だ。
メインストリートに面したこの店は、レストラン、カフェ、バー、タバックが一体になった、いかにもフランスらしい場所で、地元の人たちの日常がそのまま流れている。
テラス席からは川を望むことができ、シャトー巡りの合間に一息つくにはちょうどいい。
ポイヤックという土地柄、周辺シャトーのワインも揃っており、気取らずにこの村の空気を味わえる一軒だった。
店内は地元客ばかりだ。メニューはフランス語のみ。翻訳アプリを使って注文する。午後のテイスティングに備え、飲み物はビールにした。
前菜はフォアグラのテリーヌ。

ボルドーからトゥールーズにかけての南西フランスはフォアグラの名産地だ。
一口食べて驚いた。
日本で食べてきたものとは明らかに違う。強いて言えば、とにかくフレッシュなのだ。おそらく、どこにも移動していない味なのだろう。
メインの仔牛の煮込みは、正直なところ特筆すべき点はなかった。

食後、小雨の中を川沿いに少し散歩する。河口に近いため川幅が広く、ほとんど海のように見えた。
ほどなくしてガイドさんが迎えに来てくれた。
午後はいよいよ、シャトーの内部見学へ向かう。
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