とりあえず、海へ
シチリア2日目。
今日も特に予定は決めず、朝からローマ通りへ出かけた。
歩きながらGoogleマップを眺めていると、どうやら海岸まで歩いて行けそうだ。距離感も悪くない。とりあえず、足の向くまま歩いてみることにする。

朝のヴッチリア市場
ローマ通りを進んでいると、不意に脇へ下りる階段が現れた。
観光客向けに整えられた通りとは、明らかに違う空気がその先から漂ってくる。
少し身構えながら階段を下りると、そこがヴッチリア市場だった。

目の前に広がるのは、こじんまりとした広場。鮮魚店と簡易的なレストランのテントが点在しているが、まだ本格的な喧騒には至っていない。
時間が早かったせいか、店主たちは準備の最中で、空気はどこか静かだ。
「食材になる前」の魚たち
氷を敷き詰めた台の上に、頭のついたままのカジキマグロがドンと置かれている。その存在感に、思わず足が止まった。

切り身やパック詰めに慣れた日本では、なかなか目にすることのない光景だ。ここでは、魚が「食材」になる前の姿を隠さない。
さらに奥へ進むと、通路は自然とアーケードへと変わる。
路地の両側にはレストランが軒を連ね、昼や夜の賑わいを待っているようだった。店先にはカンパリやアペロールの瓶がずらりと並び、赤やオレンジの色がやけに目に残る。
まだ静かな時間帯のヴッチリア市場は、これから始まる喧騒を内側に溜め込んでいるようだった。

フェリーチェ門とストリートフード
市場を抜け、細い路地をいくつか進むと、開けた通りに出た。
昨日歩いたヴィットリオ・エマヌエーレ通りの続きだ。空気が少し変わり、海が近いことが分かる。
通りの最東端、フェリーチェ門手前の広場で足を止めた。

朝食をとっていなかったので、少し小腹が空いている。
近くのスタンドで、パレルモ名物の牛肺のバーガーを購入した。以前から気になっていた食べ物のひとつだ。

恐るおそるかじってみる。
肺とレバーが挟まっているが、香味野菜やハーブと一緒に茹でてあるのだろう。内臓特有の臭みはほとんどない。ただ、レバーが苦手な人には厳しいかもしれない。
地元の公園と、小さな海
フェリーチェ門をくぐり、道路を渡ると、サルーテ・リヴィア・モレッロ公園がある。サッカーコートや遊具があり、完全に地元民の憩いの場だ。
散歩する人、サッカーをする人、鉄棒で懸垂する人(笑)。
それぞれが思い思いに時間を過ごしている。
少し先で、小さな海水浴場を見つけた。
このあたりではバスで10分ほどのモンデッロ・ビーチが有名だが、ここは驚くほど空いている。

海水浴客は十数人ほど。切り立った山肌とエメラルドグリーンの海のコントラストが美しい。
「これは、泳がない選択肢はない」
服のまま海に入った。砂浜は決してきれいとは言えないが、海に入ってしまえば関係ない。
十分に泳いだあと、ずぶ濡れのまま街へ戻る。
ちょうど昼時だ。
本領発揮の昼市場
再びヴッチリア市場へ。
昼の市場は、本領発揮と言わんばかりの活況だった。


威勢の良い掛け声が飛び交い、炭火で焼かれる肉や魚の煙が立ちこめる。
朝とはまるで別の場所のようだ。
実はすでに「入る店」はもう決めてある。

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