1. 変貌する河川敷。地元民が埋め尽くす巨大夜市
夕方の仮眠から目が覚めると、外はすっかり帳が下りていた。
昼間は穏やかだったメコン川沿いへ向かうと、そこには驚くべき光景が広がっていた。
どこからこれほどの人とモノが集まってきたのか。通りを埋め尽くす屋台のライトが煌々と夜空を照らし、辺りは熱気とスパイスの匂いに包まれている。


観光客向けの土産物屋もあるが、そのほとんどは地元の人々の胃袋を支える食料屋台。ここでは屋台文化が、人々の生活そのものなのだ。
2. カオス極まる「爆音の移動遊園地」
さらに川沿いの下の方へと足を伸ばすと、私は自分の目を疑った。
朝には何もなかった広大な空き地に、忽然と**「遊園地」**が出現していたのだ。


闇の中に浮かび上がる観覧車、縦横無尽に走り回るゴーカート。どこか懐かしく、そして絶妙に「ダサい」ネオンが瞬き、爆音のダンスミュージックが夜風に乗って響き渡る。
さらに驚くのは、その遊園地のすぐ横で、人々が平然と夕食を囲んでいることだ。
立ち並ぶ屋台には、大きな淡水魚の丸焼きや、日本ではお目にかかれない謎の練り物、さらには孵化しかけのアヒルの卵「ホビロン」まで……。そして、なかなか臭い(笑)

お世辞にも清潔とは言えないが、その「カオス」な雰囲気が、旅人の心を激しく高揚させる。
3. 黄金のチキンに隠された「クルーン」の秘密
圧倒的な情報量に揉まれながら、今夜のメインディッシュを探す。
迷いに迷った末、私が選んだのは、香ばしい煙を放つ「鶏の丸焼き」だった。

テーブルで待っていると、少年が一口大に切り分けたチキンを運んできてくれた。
黄金色に輝く皮、漂ってくる南国のスパイスの香り。期待を込めて一口食べてみる。
「……これだ、最高に美味い」
ウコン(ターメリック)由来と思われる鮮やかな黄色。その複雑な風味の正体を探ってみる。
おそらく、レモングラス、ウコン、ガランガル(ナンキョウ)、そしてコブミカンの葉。以前、カンボジア人の友人が教えてくれた伝統的なスパイスペースト**「クルーン」**に近いベースだ。
ただ、カンボジアのものより少し甘みがあり、それがまたキンキンに冷えた「ビアラオ」にたまらなく合う。

4. 感動のライチスムージー。ラオスの魅力に沈む夜
食後のデザートを求めて、スムージーの屋台に立ち寄る。

リンゴやバナナといった定番に混じって、スイカ、ココナッツ、ドラゴンフルーツ……そして、日本ではまず見かけない「生ライチ」の文字を見つけた。
迷わず注文すると、その場で氷と一緒にミキサーへ。
差し出されたライチスムージーを一気飲みした瞬間、脳を突き抜けるような芳醇な香りと甘さが広がった。これは、これまでの人生で飲んだスムージーの中で、間違いなく一番の衝撃だった。
初日からこれほどまでの刺激と、美食のヒントをもらえるとは。
明日はさらに奥地、バンビエンへと移動する。早くもこの国の魅力にどっぷりと浸かりつつある自分を感じながら、ビエンチャンの熱い夜を後にした。

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