1. 厳重すぎるセキュリティと「中国語」の駅舎
ラオス2日目の午後、いよいよ「ラオス中国鉄道(通称:ラオス新幹線)」でバンビエンへと向かう。
乗車券はオンライン購入も可能だが、ラオスの銀行口座が必要なため外国人にはハードルが高い。今回はホテルのフロントに代行予約を依頼し、QRコードのチケットを無事に受け取った。
送迎車で30分、到着したビエンチャン駅を見て思わず眉を顰(ひそ)めてしまった。駅舎に掲げられた「万象(ビエンチャン)」という巨大な中国語の文字。パスポート提示を求められる厳重なセキュリティチェックや、待合ロビーの「中国人専用ゾーン」など、ここはラオスなのか、それとも……と複雑な気分にさせられる。

2. 高圧的な車内と、一変する車窓の風景
ホームに滑り込んできたのは、ラオス国旗を模したスタイリッシュな車両。北の聖地ルアンパバーン行きということもあり、車内はほぼ満席だ。

座席上の棚に置いたスーツケースが少しはみ出していたのか、巡回中の中国人女性乗務員に鋭い口調で注意を受ける。なかなかの高圧的な態度で、私の荷物はそのままデッキへと放り出されてしまった。
快適とは言い難い空気の中、列車が走り出して1時間。ふと窓の外に目をやると、山の形が独特の険しさを帯びてきた。いよいよ、バックパッカーの聖地・バンビエンに到着だ。
3. トラックの荷台に揺られ、砂埃の向こうへ

バンビエン駅の改札はたったの2つ。大行列を抜けて外へ出たものの、今度はタクシーが見当たらない。途方に暮れていると、他の乗客たちが次々とトラックの荷台に吸い込まれていく。なんと、この乗り合いトラックがこの街の「タクシー」なのだ。
欧米人バックパッカーたちと肩を寄せ合い、行き先を告げて料金を支払う。人数が揃ったところで、砂埃を巻き上げながらトラックが発進した。
駅周辺の小綺麗さは一瞬で消え、道は舗装もされていないガタガタの悪路へと変わる。簡素な家々、舞い上がる砂煙。不便になればなるほど、不思議と「ついに本物のラオスへ来た」というワクワクが込み上げてくる。

4. 昼寝中のスタッフと、バルコニーからの絶景
順番に乗客をホテルへ送り届け、最後の一人として本日の宿に到着。しかし、フロントには誰もいない。大声で呼びかけながら歩き回ると、ようやくスタッフが申し訳なさそうに現れた。
「疲れて寝ていたんだ」という、あまりに素直な言い訳には笑うしかない。これこそが、ゆるやかな時間が流れるラオスのスタンダードなのだ。
案内された部屋のバルコニーに出ると、目の前にはゆったりと流れるナムソン川。そしてその奥には、水墨画のような独特のシルエットを持つ山々がそびえ立っていた。

この素晴らしい眺望があれば、昼寝の件も全て許せてしまう。ひと休みしたら、いよいよバンビエンの街へと繰り出そう。

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