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革命記念日の夜 〜ボルドーの花火大会〜

レンヌを発ち、革命記念日のボルドーへ

ブルターニュ地方の街、レンヌでの滞在を終え、今日はボルドーへ移動する。

そして今日はフランス革命記念日だ。恥ずかしながら、フランスを訪れるまでこの祝日の意味を知らなかった。

最初に教えてくれたのは、旅の初めにストラスブールで知り合ったフランス人の友人A氏だった。「7月14日は特別な日だよ」と、何気なく言われたその一言がずっと頭に残っている。


ナント経由、思わぬ長時間移動

レンヌからボルドーへは、ロワール地方のナントで乗り換える。レンヌからナントまではTERで約1時間半。

車内で時間があったので、フランス革命について調べてみる。旅の良いところのひとつは、その国の歴史や背景に、後から興味が湧いてくるところだと思う。観光地を知る前に、まず人の営みが見えてくる。

夢中になって調べているうちに、あっという間にナントへ到着した。一度駅の外に出てみると、想像していた以上に都会的で驚く。

ボルドー行きの列車までの待ち時間は30分ほどだ。


座席がない? 革命記念日の洗礼

ここで少し気掛かりなことがあった。

ユーレイルパスのアプリでナントからボルドーまでのパスを取得する際、座席指定の表示がなかったのだ。

所要時間は4時間以上ある。

「まさか自由席ということはないよな……」

嫌な予感を抱えたままホームへ向かうと、やはり全席指定の列車だった。

駅員さんに翻訳アプリを使って必死に尋ねると、

「あなたの座席はありません。でも、この列車には乗れます」とのこと。

どうやらデッキなら問題ないらしい。同じ状況の乗客が他にも数名いた。

革命記念日で指定席が売り切れていたのか、それともユーレイルパス特有のエラーなのかは分からない。結局、スーツケースを即席の椅子代わりに、約4時間半を過ごすことになった。ボルドーに到着する頃には、すっかりお尻が痛くなっていた。


ボルドー到着、静かな夜への準備

ボルドー・サン・ジャン駅。

少し古い駅舎だが、どこかレトロで趣がある。

駅を出ると、予約していたibis budgetホテルの建物がすぐ目に入った。革命記念日の影響なのか、チェックインにはそれなりの列ができている。

部屋は8階。窓から見えるボルドーの街並みは、整然としていながらも歴史を感じさせる景色だった。

ひと休みした後、街の散策に出かける。


革命記念日の夜、街は祝祭へ

革命記念日には、フランス各地でさまざまなイベントが行われる。ここボルドーでは、夜に花火大会があるらしい。ストラスブールの友人A氏が、メッセンジャーで花火大会の場所と時間を詳しく教えてくれた。

ガロンヌ川沿いを歩き、旧市街へ向かう。

レストランやカフェが並ぶエリアを抜け、中心部の水鏡(ミロワール・ドー)の広場に辿り着いた。夕暮れ時、水面に映し出されるボルドーの街並みは息をのむほど美しい。

広場の周囲には、すでに多くの人が集まっていた。大道芸や楽器演奏も始まり、街全体がお祭りの空気に包まれている。


ミニコラム|フランス革命記念日とは

7月14日は、1789年に起きたバスティーユ牢獄襲撃を記念する日だ。

王政から市民の時代へと大きく舵を切った、フランスにとって象徴的な一日である。

単なる祝日ではなく、「市民が主役になる日」として、今も大切にされている。


夕立と、思わぬ幸運

ジャズバンドの演奏を聴いていると、突然の夕立に見舞われた。

慌てて木陰に逃げ込む。

幸い、雨はすぐに上がった。

しかも、この雨で帰ってしまった人も多かったようで、花火を見るには絶好の場所がいくつも空いている。

思わぬ幸運だ。


ガロンヌ川に上がる、フランスの花火

ヨーロッパの夏は日が長い。22時を過ぎ、ようやく辺りが暗くなった頃、突然花火が打ち上がった。

日本の花火とよく似た構成なのが面白い。けれど、ガロンヌ川にかかるピエール橋の灯りと花火のコントラストを見ていると、

「これはやはりフランスの花火大会なのだ」と実感する。

途中、何度も打ち上げられるハート型の花火が、いかにもフランスらしい。


同じ花火を見上げる人たち

花火を見上げながら、ふと周りを見てみた。

右隣にはフランス人のカップル。

左隣にはアフリカ系の家族。

そして自分はアジア人だ。

みんな並んで、同じ花火を見上げている。

その光景を眺めながら、

「普段、自分はなんて小さなことばかり気にしながら生きているのだろう」

そんなことを、ふと思った。


フィナーレと、静かな余韻

Screenshot

フィナーレは見事なスターマイン。

構成も日本の花火大会と共通していて、どこか親しみを感じる。

花火が終わると、観衆から割れんばかりの拍手と歓声が上がった。

静かに鑑賞することの多い日本の花火大会とは違い、とても陽気な雰囲気だ。

これはこれで、実にフランスらしい。


余韻に浸りながらホテルへ戻る。

この日は長時間の移動で、ほとんど何も食べていなかった。それでも不思議と、お腹も心も満たされていた。

明日は楽しみにしていたボルドーのシャトー巡りだ。

ツアーは朝からなので、早めに休むことにする。

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