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黄金の丘を行く —— ブルゴーニュ・ワイン街道紀行

ブルゴーニュ2日目の朝

いよいよ今日は、この旅の大きな目的のひとつ、

ブルゴーニュのワイナリー巡りだ。

手配したのは「ボヤージュ・アラカルト」という現地ツアー会社。

予約時のメールのやり取りから、

日本語スタッフがとても丁寧に対応してくれた。

今回は半日のツアーに申し込んだ。

ボルドーの時と同じく、催行は2名からだが、

2人分の料金を支払えば1名でも参加できる。

朝、ゲストハウスの前まで日本人のガイドさんが迎えに来てくれた。

ガイドさんの運転する車に乗り込み、いよいよ出発する。


黄金の丘コート・ドールを巡る

まずはボーヌから南へ。

ムルソーを越え、ピュリニィ・モンラッシェを目指す。

ここブルゴーニュ地方の**コート・ドール(Côte d’Or)**は、

世界中のワイン愛好家が憧れる、まさに「聖地」だ。

日本語では「黄金の丘」という意味を持ち、

南北およそ50kmにわたる細長い丘陵地帯に、

名だたる銘醸畑が連なっている。

幅は広いところでも数キロ、狭い場所では数百メートルほどしかない。

コート・ドールは大きく二つに分かれている。

北側のコート・ド・ニュイは、

ピノ・ノワールを中心とした赤ワインの聖地。

南側のコート・ド・ボーヌは、

シャルドネによる白ワインで名を馳せるエリアだ。

これから向かうピュリニィ・モンラッシェにも、

世界最高峰と称される白ワインの畑がある。


ワイン街道の景色と村々

街道沿いには、どこまでもブドウ畑が続く。

同じ「ワイン街道」でも、ボルドーとはまったく違う景色だ。

村があり、畑があり、また村が現れる。

その繰り返しの中を進み、ピュリニィ・モンラッシェに到着した。


シュヴァリエ・モンラッシェの絶景

ここでは、特級畑(グラン・クリュ)

シュヴァリエ・モンラッシェの畑を見学する。

澄み切った朝の空気の中、見渡す限りのブドウ畑が広がる。

最初から、これ以上ないほどの絶景に出会えた。

条件が良ければ、遠くにモンブランが見える日もあるという。


ブルゴーニュワインの格付け

ここで、ブルゴーニュワインの等級について少し触れておきたい。

ブルゴーニュでは、畑そのものに格付けがされている。

最上位がグラン・クリュ(特級畑)

その下にプルミエ・クリュ(一級畑)

続いて村名ワイン、そして地方名ワインという序列だ。

同じ村、同じ生産者、同じ品種、同じヴィンテージであっても、

畑が違えばまったく別のワインになる。

この厳密さこそが、ブルゴーニュの奥深さでもある。


コート・ド・ニュイへ

続いて北側のコート・ド・ニュイへ向かう。

ボーヌを越え、さらに北へ。

今度は助手席に座らせてもらい、

ブドウ畑のパノラマを堪能する。

途中、畑を耕す巨大なトラクターと何度かすれ違った。

こちらが観光客だろうが何だろうが関係ない、といった感じで、

かなりの勢いで突っ込んでくる。

地元車両優先とはいえ、少し肝を冷やした。


シャトー・デュ・クロ・ド・ヴージョの歴史

途中で立ち寄ったのが、

シャトー・デュ・クロ・ド・ヴージョだ。

中世にシトー派修道士たちが築いたワイン造りの拠点で、

ブルゴーニュワインの歴史を象徴する場所でもある。

現在は、ワイン関連のイベントや騎士団の式典などが行われている。

しかし、この日はテレビ番組の収録中とのことで、

残念ながら中には入れなかった。

6人のシェフが対決する番組らしい。

フランス版「料理の鉄人」だろうか、と勝手に想像する。


マルサネ=ラ=コートでのテイスティング

さらに北上し、ワイン街道の最北端に近い村マルサネ=ラ=コートへ。

シャトー・ド・マルサネでワインの熟成工程を見学した後、

待望のテイスティングが始まった。

ヴィンテージやグレードの異なる6種類のワインを試飲する。

中にはプルミエ・クリュも含まれていた。

説明を聞きながら飲み比べると、確かに違いは感じ取れる。

しかし、前情報なしで飲んだら、

果たしてここまで分かるだろうか、とも思う。


ジュヴレ・シャンベルタンでのグラン・クリュ体験

次は南へ折り返し、車で10分ほどのジュヴレ・シャンベルタンへ。

ドメーヌ・キヴィを訪問する。

ここでは、プルミエ・クリュを含めた4種類の試飲予定だった。

ところが、ガイドさんが急に興奮した様子で言った。

「グラン・クリュを試飲させてもらえるそうですよ!」

しかも、シャンベルタン・グラン・クリュ

シャルム・シャンベルタン・グラン・クリュの2種類。

村名 → 一級畑 → 特級畑 → 特級畑。

信じられないほど贅沢なラインナップだ。

同一生産者、同じヴィンテージでの2つのグラン・クリュの飲み比べ。

違いは非常に繊細だが、確かに別物だと感じる。

特に印象に残ったのは、

シャルム・シャンベルタン・グラン・クリュだった。

グラスに鼻を近づけた瞬間に感じる、

はっきりとした華やかな果実香。

この旅で、自分がどんなワインを好むのか、

少し輪郭が見えた気がした。


ロマネ・コンティの畑を訪ねて

最後は、あまりにも有名なロマネ・コンティの畑を見学する。

この周辺は、コート・ドールの中でも

特にグラン・クリュが密集するエリアだ。

「とんでもない場所に来ているな」と、しみじみ思う。

ロマネ・コンティの畑に到着すると、

象徴的な十字架が静かに立っている。

すでに数人の先客がいた。ドイツから来た人たちのようだ。

畑の脇では、木陰につながれた馬がいた。

どうやら摘果したブドウを踏みならす作業をしているらしい。

畑に機械を入れないことも、このドメーヌの哲学であり、

それ自体が価値になっている。

さすがはロマネ・コンティだ。


ボーヌへ戻り、旅の感想

その後、ニュイ=サン=ジョルジュを経てボーヌへ戻った。

半日とは思えないほど、内容の濃い体験だった。

ガイドさんは終始親切で、

移動中もずっと興味深い話を聞かせてくれた。

そして、試飲とはいえ――

結構、飲んだ(笑)。

ゲストハウスでひと休みし、

夜はブルゴーニュ最後のディナーへ向かうことにする。

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