深夜、熱気に包まれたワットタイ国際空港
今回の旅は、正月休みを利用したラオス周遊。
首都ビエンチャンと、バックパッカーを惹きつけてやまない街バンビエンを巡る7泊9日の行程だ。

上海での乗り継ぎを経て、ビエンチャンのワットタイ国際空港に降り立ったのは深夜23時。小さな空港の入国カウンターは、この時間とは思えないほどの人、人、人で埋め尽くされていた。
ASEAN専用レーンをなんとか抜け、ロビーへ出ると、私の名前を掲げたホテルの送迎スタッフが笑顔で迎えてくれた。フランス領時代の面影を残すというホテルへ向かう車中、暗闇に浮かぶビエンチャンの街並みを眺める。開発が進んでいるとは聞いていたが、どこか懐かしい静けさが漂っていた。
ホテルは白とダークブラウンを基調としたレトロな名建築。部屋の冷蔵庫にあったラオスの定番「ビアラオ」を一本空け、長旅の疲れを洗い流すように眠りについた。

メコン川の対岸は「外国」。銀行を探して街歩き
翌朝。まずは軍資金を確保するため、銀行を目指して街へ繰り出す。
ラオスの通貨「ラオスキップ」は、日本では両替できない。さらに最近は民間の両替商の取り締まりが厳しいらしく、銀行での両替が確実なのだ。

ホテルを出てすぐ、大河メコンを望む大通りに出た。あいにく河原まで下りることはできなかったが、川の向こうにはタイの街並みがすぐそこに見える。

「川を挟んで隣が外国」という光景は、島国育ちの日本人にはなんとも新鮮で、不思議な感動を覚える。
立ち寄った寺院は、金色の尖塔に象と、タイの様式によく似ている。10,000キップ=約73円(訪問時)。とりあえず3万円を両替し、ずっしりと厚みを増した財布をポケットに、さらに市街地へと足を進めた。


昭和のデパート?「タラート・サオ」の喧騒
街の中心部に入ると、そこには東南アジア特有の雑多でエネルギッシュな空気が満ちていた。


軒先で鶏を捌くおばあさん、バインミー(サンドイッチ)を頬張る若者。開発の波を心配していたが、そこには紛れもない「ラオスの日常」が息づいていて安心した。
目指すは、ラオス最古のモーニングマーケットに隣接する「タラート・サオ・ショッピングモール」。

4〜5階建ての立派なビルだが、一歩足を踏み入れるとそこは「昭和のデパート」のような懐かしい雰囲気。衣料品や宝石が所狭しと並ぶ中、私は最終日に購入することになる木製のスパイスグラインダー(すり鉢)に目を付けた。これこそ、再現料理には欠かせない相棒になるはずだ。


洗礼の「謎ソース」と、感動の炭火焼き豚バラ
市場歩きで空腹も限界。モールの手前にあるレストランで、まずは腹ごしらえだ。
注文したのは、揚げた淡水魚に山盛りのディルを乗せた料理。後で知ったが、これは「チャーカー・ラン」というベトナム由来の料理らしい。

油の乗った魚に、ハーブのパンチが絶妙に合う。しかし、問題は次に運ばれてきた「紫色をした謎のソース」だった。
一口食べると……強烈に臭い。おそらく海老のペースト「カピ」と魚醤を合わせたものだろう。完食はしたものの、本場の洗礼を受けた気分だった。
口直しを求めて駐車場の片隅を歩くと、少女が炭火で肉を焼く屋台から、抗いがたい香ばしい煙が立ち上っていた。

豚バラとソーセージを注文。ハサミで一口大にカットしてもらい、ビールを買い込んでホテルへ戻る。
まだ温かい袋を開け、真っ赤なソースを付けて豚バラを頬張る。

「……美味い!」
余分な脂が落ちた豚肉の香ばしさと、見た目ほど辛くない唐辛子の豊かな香り。これぞ、ラオス。
一方、酸味の効いたラオス式ソーセージは、少し好みが分かれる独特の味わいだった。
一休みしたら、夜はいよいよメコン川沿いの「カオスな夜市」へ繰り出すことにしよう。

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