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ブイヤベースを食べるためだけにマルセイユへ

南仏へ向かう、長い列車移動

ボルドーから列車で約5時間。

南仏・マルセイユに到着した。

この区間はTERが乗り入れておらず、ユーレイルパスも使えない。

フランスの地方間移動は、思った以上に骨が折れる。

列車内はエアコンもあまり効いておらず、正直かなりきつい。

それでも車窓に流れるひまわり畑や、

カルカッソンヌ、トゥールーズ、モンペリエといった

南仏の街並みを眺めていると、

フランスという国の多様性に改めて惹かれてしまう。


マルセイユで感じた、東横インの安心感

宿泊先は、東横イン マルセイユ・サン・シャルル駅前。

(実際には徒歩8分ほどで、全然“駅前”ではない)

マルセイユの街並みに突如現れる日本語の看板。

違和感が強すぎて、逆に面白い。

部屋は日本の東横インとほとんど変わらず、

1か月に及ぶヨーロッパ一人旅の終盤には、

この安心感がありがたかった。


旧港に立って、マルセイユを実感する

少し休んでから、街を歩く。

まずは旧港へ。

これまで訪れてきた地方都市と比べると、

マルセイユは明らかに移民が多く、

通りによっては少し緊張感もある。

それでも大通りを抜け、旧港に出ると、

一気に視界が開けた。

目の前には地中海。港いっぱいに停泊するヨット。

丘の上には、写真で何度も見たあの

バジリカ聖堂が小さく見えている。


バジリカ聖堂、そして小さな肩透かし

次は、そのバジリカ聖堂へ向かう。

途中からは驚くほどの急勾配が続き、

息を切らしながらようやく辿り着いた。

……が、閉館時間を過ぎていた。

まあ、こういうこともある。


名店に振られる。ブイヤベースの現実

気を取り直して、今回の目的――

ブイヤベースを食べるために、

レストラン探しを始める。

マルセイユには

シェ・フォンフォン、ミラマー、

ル・プティ・ニース など、

ブイヤベースの名店がいくつかある。

その中から、入り江に店を構える

シェ・フォンフォンへ向かった。

道中は、バカンスを楽しむフランス人で賑わっている。

期待しながら店に入ると、予約の有無を聞かれた。

「予約していない」と答えた瞬間、

「ノーブッキング、ノー!」

手でシッシッと追い払われてしまった。

後で調べて分かったのだが、

もともとは漁師料理だったブイヤベースは、

今や完全に高級料理の扱いになっている。

材料や調理法、提供方法まで定めた

「ブイヤベース憲章」なるものまで存在するらしい。

有名店では数日前からの予約が必須で、

基本的にシェア不可。

素朴な郷土料理を想像していただけに、

現実とのギャップは大きかった。


代わりに食べた、スープ・ド・ポワソン

その日の夕食は、ホテルへ戻る途中、

海岸線沿のレストランで取ることにした。

ここではブイヤベースと並ぶマルセイユの名物、

スープ・ド・ポワソンを注文。

甲殻類の香りが強く、かなりパンチのある味。

添えられたクルトン、チーズ、ルイユの食べ方が最初は分からず戸惑ったが、

これは文句なく美味しい。

日本を意識したメニューやインテリアが目についたが、

どうやら店の人たちは日本好きらしい。

会計時にはウェイターさんたちが集まってきて、

いろいろ話しかけてくれた。


それでも諦めきれなかった理由

それでも、どうしてもブイヤベースが食べたい。

これを食べるためだけにマルセイユまで来たのに、

このまま帰るわけにはいかない。

ホテルに戻り、予約できそうな店を必死で探す。

そして、ようやく一軒見つけた。


朝の旧港と、魚市場の活気

翌朝、再び旧港へ。

朝の港には魚屋が並び、

日本でも見たことのある魚から、

まったく見覚えのない魚までが並んでいる。

見ているだけで楽しい光景だ。


念願のブイヤベースに、ようやく辿り着く

旧港近くの ル・レザスノー へ。

ここは、昔ながらのブイヤベースを比較的気軽に食べられると評判の店だ。

まさに、こういうのが食べたかった。

開店直後に入店すると、客は私ひとり。

落ち着いた内装の中で、

しばらくすると念願のブイヤベースが運ばれてきた。

サフランの鮮やかな色と香り。

具材は鯛、カサゴ、アンコウと思われる魚たち。

スープ・ド・ポワソンと比べると、

味わいはかなり穏やかだ。

正直に言えば、

パンチのあるスープ・ド・ポワソンの方が好みだった。

だが、この店のルイユは別格だった。


観光地ではない、マルセイユの昼

次第に店内は地元客で賑わい始める。

年配の男性5人組がボトルワインを開け、

楽しそうに食事をしている。

観光客向けではない、

この空気感が心地いい。

食後に勧めてもらったデザートを食べ、店を後にした。

いろいろあったが、無事に念願のブイヤベースを食べることができた。

この後は、ショッピングモール

「テラス・デ・ポート」を少し覗いて、

マルセイユを後にした。

マルセイユは、二日あれば十分に街の輪郭を掴めると思う。

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